喀痰の質は、小児喘息における気道微生物叢の評価に影響を与える。
DOI:10.1186/s12931-025-03266-x
アブストラクト
背景: 慢性呼吸器疾患を有する患者における下気道微生物叢の特性を評価する上で、喀痰の分析は主要な基盤となります。このような分析が有用であるためには、下気道を適切に反映しないサンプルを同定し除去する必要があります。本横断研究では、喀痰サンプルの品質と微生物学的含量との関連性を検討しました。さらに、小児喘息における低品質サンプルの除外が、微生物叢と疾患の関係に与える影響を調査しました。
方法:喘息の有無にかかわらず、小児から誘発喀痰を収集しました。喀痰の品質は、扁平上皮細胞率%、細胞生存率%、喀痰栓の検出、および唾液α-アミラーゼ濃度に基づいて評価しました。喀痰の微生物叢は、16S rRNAアンプリコンシーケンスとqPCRにより特徴付けられました。結果:170名の参加者中、130名が喘息を有していました。検体の19%(32/170)から29%(53/170)が、適用した品質基準に応じて十分な品質でないものと判定されました。検体を喀痰の品質カットオフ値のいずれかで層別化した結果、微生物叢の特性に有意な差が認められました(すべてp<0.05)。唾液α-アミラーゼは、適切な品質と不適切な品質の検体間の微生物叢を最も区別しなかった因子でした。≥30%の扁平上皮細胞を含む53の低品質サンプルを除外することで、喘息の有無による喀痰微生物叢の差(p=0.017)が明らかになりました。この差は、喘息サンプルでHaemophilusとGemellaのレベルが有意に高いことなど、他の方法では認められなかったものです。
結論:小児の誘導喀痰サンプルにおける上気道汚染は一般的です。扁平上皮細胞が30%以上のサンプルを除外することで、喘息と気道微生物叢の関係が、そうでない場合では明らかにならない形で同定可能です。
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