PM(2.5)の化学成分と小児喘息および肺機能との関連性:系統的レビューとメタ分析。
DOI:10.1007/s00431-025-06214-5
アブストラクト
未分類:過去数十年間、微小粒子物質(PM)の化学成分と小児喘息との関連性を調査する研究が数多く行われてきました。しかし、その結果は一貫性がありません。本研究では、小児および思春期におけるPMの化学成分への短期および長期曝露が喘息リスクおよび肺機能の変化に与える影響に関する証拠を統合することを目的としています。本研究のプロトコルはPROSPERO(CRD 42024562521)に登録されています。私たちは、PM中の黒色炭素(BC)、有機炭素(OC)、アンモニウム(NH)、硝酸(NO)、硫酸(SO)、および重金属と、喘息のリスクおよび肺機能(強制肺活量[FVC]、1秒間強制呼気量[FEV1]など)との関連性を検討した論文を、Web of Science、MEDLINE、PubMed、EMBASEのデータベースにおいて、2025年1月までに発表されたものを対象に、体系的に検索しました。Web of Science、MEDLINE、PubMed、EMBASEのデータベースから、2025年1月までに発表された論文を網羅的に検索しました。全体的な効果サイズ(オッズ比[OR]または標準化平均差[SMD])と95%信頼区間(CI)は、ランダム効果モデルを用いて算出しました。研究結果の異質性は、I²統計量を用いて評価しました。サンプルサイズ6,978,265の24件のオリジナル研究が対象となりました。12件の研究は長期的な関連性に焦点を当て、12件は短期的な関連性に焦点を当てました。PM中のBC、OC、SO、NO、NHの四分位範囲(IQR)値は、それぞれ0.61、1.68、4.23、3.48、1.38 μg/mでした。長期的な関連性において、OC、NH、およびBCのIQR増加ごとに、小児喘息のリスクが37%(プールOR=1.370)、28.5%(プールOR=1.285)、7.4%(プールOR=1.074)のリスク増加と関連していました。BCとSOのIQR増加ごとに、FEV1(SMD:0.068 L)とFVC(SMD:0.144 L)の減少が観察されました。BC曝露のIQR増加ごとに、FEV1(SMD:0.061 L)とPEF(SMD:0.130 L)の減少が関連していました。SO、NH、NO、BC、Fe、およびZnの短期曝露は、有意な異質性なしに喘息入院の増加と関連していました。
結論:BC、OC、およびNHの長期および短期曝露は、小児喘息におけるPMの主要な化学成分です。BCとSOは、小児および思春期における肺機能の低下における主要な要因です。既知の事項:• PM2.5は呼吸器健康に影響を与えるが、小児の喘息と肺機能に最も有害な特定の成分は不明です。
新規性: • この系統的レビューとメタ分析では、黒色炭素と有機炭素、およびアンモニウムが喘息リスクの増加に主に寄与することが判明しました。一方、PM2.5中の黒色炭素と硫酸塩は、子どもの肺機能低下における主要因でした。
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