小児のアトピー性皮膚炎に対する新規局所分子標的療法:系統的レビューとメタ解析。
DOI:10.1111/pai.70122
アブストラクト
局所分子標的療法は、アトピー性皮膚炎(AD)の治療法として最近注目されていますが、特に小児における有効性と安全性は十分に検討されていません。本システマティックレビューとメタアナリシスでは、ADを有する小児における局所標的療法の有効性と安全性を評価することを目的としています。PROSPERO(CRD42022366449)に登録されたプロトコルに基づき、2023年1月7日までに発表された論文を対象に、CENTRAL、MEDLINE、Embase、ICHUSHIデータベースを網羅的に検索しました。対象は、ADを有する小児(18歳以下)を対象とした新規局所的標的療法を評価したランダム化比較試験(RCT)です。主要アウトカムは、湿疹面積と重症度指数(EASI)スコアおよび治療関連有害事象でした。副次アウトカムには、追加の有効性および安全性解析が含まれました。Revman 5.4を使用してメタアナリシスを実施し、バイアスリスクはRoB 2ツールで評価しました。9件の研究(8件の論文で報告)が対象となり、2,182名の患者が参加しました。そのうち1,469名の小児がヤヌスキナーゼ阻害剤(ルクソリチニブとデルゴチニブ)またはホスホジエステラーゼ-4阻害剤(クリサボロール、ロタミラスト、およびディファミラスト)で治療されました。これらの介入はEASIスコアを有意に改善し、最小二乗平均変化量(平均差:-56.67%;95%信頼区間[-59.16%~-54.18%])を示しました。さらに、局所的標的療法は治療関連有害事象の発生率を増加させませんでした(リスク差:0.00;95%信頼区間 [-0.02から0.02])。すべてのアウトカムにおいてバイアスリスクは低かったです。4週間投与された新規局所的標的療法は、18歳以下のアトピー性皮膚炎患児において有効かつ安全です。長期的な安全性と有効性を確立するためには、さらなる研究が必要です。
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