COVID-19患者の肝機能障害とその妊娠転帰への影響。
DOI:10.1097/MD.0000000000042745
アブストラクト
本研究の目的は、2019年新型コロナウイルス感染症(COVID-19)後の妊娠女性における異常な肝機能検査(LFTs)の発生率を記述し、異常なLFTsを有する妊娠女性の特徴およびその妊娠転帰への影響を調査することである。2022年12月から2023年1月にかけて合肥市母子保健病院で、妊娠後期にCOVID-19に感染した168人の妊婦のデータを収集し、肝機能異常を呈した86人の妊婦を研究群、正常な肝機能を示した82人の妊婦を対照群に分け、後方視的分析を行いました。人口統計データと検査データを収集し、統計解析を実施しました。COVID-19に感染した168人の妊婦のうち、86人(51.2%)が肝酵素値の上昇を認めました。対照群では4人(4.5%)が肝酵素値の上昇を認めました。2群間の差は統計的に有意でした(P < 0.05)。単変量解析では、年齢、妊娠週数、体格指数(BMI)が肝機能異常の潜在的要因として統計的に有意な差を示しました(P < 0.001)。ロジスティック回帰分析では、年齢(オッズ比:1.526)、妊娠週数(オッズ比:1.321)、およびBMI(オッズ比:1.159)が肝障害の独立したリスク因子として残りました(P < 0.05)。さらに、観察群の帝王切開率、分娩後出血率、胎膜破裂率、胎児子宮内苦痛率は、対照群に比べて有意に高かったです(P < 0.05)。また、観察群の新生児窒息、早産、低出生体重の発生率も、対照群に比べて有意に高かったです(P < 0.05)。妊娠中の女性は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染後に肝障害のリスクが高まります。さらに、母体の年齢、妊娠週数、BMIが進行するにつれて、肝障害のリスクは増加します。妊娠後期における肝機能異常は、不良な妊娠転帰を引き起こす可能性があります。
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