乳児期の食事多様性と炎症性腸疾患のリスクとの関連性:韓国における全国規模のコホート研究。
DOI:10.1093/ecco-jcc/jjaf101
アブストラクト
背景:最近の研究結果から、食事が炎症性腸疾患の発症に重要な役割を果たすことが示唆されています。本研究では、韓国における全国規模の縦断的コホート研究から、乳児期の食事多様性と炎症性腸疾患の発症リスクとの関連性を評価することを目的としました。方法:本研究には、国民健康保険サービスに参加した韓国人乳児1,242,295名が対象となりました。食事の多様性は、離乳期に摂取した野菜、果物、穀物、肉、魚、卵の摂取量に基づいて「高」または「低」に分類されました。食事の多様性と炎症性腸疾患の発症率との関連性を検討し、食事の多様性グループごとにサブグループ分析を実施しました。コックス比例ハザードモデルを用いて炎症性腸疾患のリスクを推定し、ハザード比は人口統計学的要因で調整されました。研究対象集団の一般特性を評価するために、プロペンシティスコアマッチングが採用されました。
結果:評価対象の乳児のうち、潰瘍性大腸炎を発症した者の71.3%とクローン病を発症した者の66.0%は、高多様性食を摂取していませんでした。個別に、食の多様性、固形食の摂取頻度、抗生物質の使用、および母乳育児の有無は、炎症性腸疾患の発症リスクと有意な関連を示しませんでした。しかし、高多様性食品摂取と固形食品摂取頻度(≥3回/日)の組み合わせは、潰瘍性大腸炎の発症リスクを48%低下させる(調整ハザード比:0.52、CI 0.28-0.98、P=0.0426)と関連していました。
結論:乳児期の食品多様性と固形食品摂取頻度の組み合わせは、潰瘍性大腸炎の発症と関連しています。乳児期に多様な食生活を促進することは、炎症性腸疾患の発症予防に重要である可能性があります。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。