生ワクチンを用いた日本脳炎ワクチンの接種法施行前後の実際の安全性プロファイル。
DOI:10.1371/journal.pone.0326257
アブストラクト
目的:生ワクチン型日本脳炎ワクチン(JEV-L)は2008年に予防接種拡大プログラム(EPI)に導入され、日本脳炎ウイルス(JEウイルス)感染から子どもを保護する点で、十分な有効性と安全性が確認されています。本研究は、2014年から2023年までのワクチン接種法施行前後において、湖州市の全国ワクチン接種後有害事象監視システム(NAEFISS)データに基づき、JEV-Lに関連するワクチン接種後有害事象(AEFI)報告の監視感度と時間経過に伴う変化を評価することを目的としています。
方法:NAEFISSから2014年から2023年までのAEFIデータを収集し、年齢、AEFIの種類、診断カテゴリーを含む。AEFI発生率は10,000接種当たりで計算し、報告オッズ比-1.96標準誤差(ROR-1.96SE)>1を、AEFIとワクチンとの間の陽性シグナルと定義した。LAWの影響を評価するため、期間をLAW施行前(2014~2019年)とLAW施行後(2020~2023年)の2つの期間に分類しました。
結果:NAEFISSは、JEV-Lワクチン599,223回接種後に225件のAEFI報告を収集し、AEFI報告率は10,000回接種あたり3.75でした。全体的なAEFI報告率は時間経過とともに増加し、2020年に減少しました(P<0.001、傾向のχ2検定)。LAW実施後の期間におけるAEFI報告率は、LAW実施前の期間よりも高かった(P<0.001)。これは発熱、局所的な発赤、局所的な硬結の増加によるものでした。しかし、LAW実施後の期間における蕁麻疹の報告率は有意に減少しました(P=0.043)。本研究では、JEV-Lワクチン接種と発熱との間で、LAW導入前(1.394)および導入後(2.833)に正の関連性が認められ、LAW導入前(2.098)に蕁麻疹の関連性が示唆されました。重篤な反応は2例のみ報告され、血小板減少症とてんかんでした。
結論:LAWの実施は、JEV-Lに関連するAEFIの監視能力と感度を著しく向上させました。本研究では、LAW実施後期間において新たな/予期しない安全性の懸念は認められませんでした。監視感度が大幅に改善されたにもかかわらず、重篤な反応は依然として稀であり、ワクチンは比較的安全であることが示されました。ただし、NAEFISSから提供されるデータを体系的に評価するため、継続的な疫学調査が必要です。
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