小児および思春期における喘息の治療における生物学的製剤の安全性:系統的レビュー。
DOI:10.1183/16000617.0269-2024
アブストラクト
背景:生物学的製剤の喘息への投与は臨床的利益があるものの、副作用のリスクも伴います。しかし、特に小児における安全性プロファイルに関する情報は不足しています。目的:小児喘息に対して承認された生物学的製剤(Xolair、Nucala、Dupixent、Fasenra、Tezspire)の報告された副作用(AEs)の範囲について、体系的なレビューを行うこと。
データソース:データベース(MEDLINE、CENTRAL、Scopus、Web of Science)および1つのレジストリ(ClinicalTrials.gov)。研究の選択:本レビューでは、事前定義された inclusion criteria を満たすランダム化臨床試験、前向き臨床研究、現実世界研究、探索的研究、レジストリ解析、症例シリーズ、症例報告を対象とした。
データ抽出:研究特性と有害事象(AE)は、事前に定義されたフォームに抽出され、頻度と研究期間に基づいて要約されました。結果:全体で、データ評価の包含基準を満たした45件の報告と13件の臨床試験が対象となり、そのうち8件はプラセボ対照試験でした。小児喘息患者で最も頻度が高かった有害事象は、頭痛、注射部位反応、上気道感染、発熱、蕁麻疹でした。系統的解析では、生物学的製剤の安全性プロファイルが製品ラベルに記載されたものと類似していることが示されました。制限事項:小児患者の数が少ないこと、プラセボ対照群の欠如、有害事象の定義の相違、統計的評価の欠如により、特定の生物学的製剤における有害事象の検証が制限されました。
結論:本系統的レビューでは、最大7年までの観察期間を経ても、小児喘息における生物学的製剤の使用に関する新たな安全性上の懸念は認められませんでした。稀な副作用や長期的な影響を把握するため、小児対象の研究コホートからの追加データが必要です。
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