12週間の臨床試験におけるハーブ配合保湿剤と併用療法によるアトピー性皮膚炎の長期的な改善効果。
DOI:10.2340/actadv.v105.43026
アブストラクト
アトピー性皮膚炎は、世界中で2億人以上が罹患する慢性炎症性皮膚疾患で、炎症性で乾燥し、かゆみを伴う皮膚の症状が再発を繰り返す特徴があります。ハーブ抽出物やフィトケミカルなどの活性化粧品成分を含む「エモリエントプラス」は、従来のエモリエントの有効性を上回る可能性がありながら、薬物療法に伴う副作用を回避できる可能性があります。報告された12週間の臨床試験(NCT05790083)では、ジンジャーエキスとカンナビジオールを基本エモリエント療法として含む油中水型エマルジョンBNO 3731とBNO 3732の長期的な有効性と忍容性が評価されました。アトピー性皮膚炎の既往歴を有する成人と小児100名が対象となり、BNO 3732(ボディローション)を1日2回、BNO 3731(集中ケア製品)を必要に応じて塗布しました。12週間後、エモリエントと組み合わせた治療は、ピーク掻痒感と患者報告アウトカム指標(アトピー性湿疹の要約)の持続的な改善をもたらしました。客観的な皮膚評価では、vIGA-ADTM(アトピー性皮膚炎の重症度評価尺度)と孤立した症状(紅斑と乾燥)において進行性の改善が認められました。角質層の細胞間脂質含量と脂質ラメラ組織の分析では、表皮バリア機能の回復が示されました。臨床結果は、ハーブ配合保湿剤の組み合わせが単なる保湿や密封作用を超えた有効性を示す証拠を提供しています。BNO 3731とBNO 3732は、非常に良好な耐容性を示しました。
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