TSUBASA研究:第VIII因子阻害薬を投与していない血友病A患者における身体活動と出血イベントの関連性の評価(エミシズマブ投与群)。
DOI:10.1111/hae.70070
アブストラクト
背景:エミシズマブは定期的な予防療法として承認されていますが、エミシズマブを投与されている血友病A患者(PwHA)における出血と運動の関係を調査したデータは限られています。目的:エミシズマブ予防療法を受けている日本のPwHAにおける身体活動と出血アウトカムの関係を評価すること。
方法: 本研究は、2019年11月から2021年10月までにエミシズマブを開始した日本のPwHAを対象とした前向き多施設共同観察研究です。身体活動と出血イベントは電子患者報告アウトカムアプリケーションで報告され、活動強度は5つの8日間モニタリング期間中に着用されたウェアラブル活動トラッカーで収集されました。安全性データは、電子ケースレポートフォームを使用して調査者が記録しました。生活の質(QOL)データも収集され、別論文で報告されます。結果: 総計129名が登録されました。中央値年齢は32歳(範囲0~73歳)で、83.7%が重症HAを有していました。全体で73名が968回の運動イベントを実施し、そのうち18.8%と6.0%がそれぞれ中等度リスクと高リスクに分類されました。運動イベント2件(0.2%)が出血と関連していました:バスケットボール(中等度リスク)1件と釣り(低リスク)1件。合計で62名の参加者から137件の有害事象(AE)が報告されました。エミシズマブに関連する重篤なAEは報告されませんでした。年間平均治療中出血率は1.9で、97週間の観察期間中に97人の参加者のうち51人(39.5%)が出血を経験しませんでした。結論:本研究は、エミシズマブ予防療法を受けているHA患者が、出血リスクが最小限で幅広い身体活動に参加できることを示唆し、運動の健康効果へのアクセスを支援します。エミシズマブは引き続き良好な忍容性を示しています。
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