COVID-19とインフルエンザBを合併した小児における急性無胆石性胆嚢炎:症例報告。
DOI:10.12659/AJCR.948156
アブストラクト
背景 急性無胆石性胆嚢炎(AAC)は、胆石を伴わない胆嚢の炎症を特徴とする希少な小児疾患です。小児では症状が非特異的であるため、診断と治療が困難です。画像診断、特に超音波検査やコンピュータ断層撮影(CT)が診断の鍵となります。治療は通常、支持療法と抗生物質投与が中心で、重症例に手術が検討されます。本報告では、COVID-19とインフルエンザBの既往歴を有する7歳のマレーシア人男児の急性無胆石性胆嚢炎の症例を報告します。症例報告 7歳のマレーシア人男児が、発熱、嘔吐、腹痛を主訴に初診で急性胃腸炎と診断されました。症状が悪化したため、救急外来を受診し、COVID-19とインフルエンザBの陽性反応が確認され、自宅隔離が指示されました。翌日に同じ病院で再受診し、対症療法が施されました。4回目の受診時、腹痛の悪化に伴い、重度の肝機能障害と凝固障害が認められました。CT検査でAACが確認され、保存的治療が行われました。静脈内免疫グロブリン(IVIG)療法により、1週間以内に臨床的および生化学的な改善が著明に認められました。結論本症例は、COVID-19とインフルエンザBに関連する合併症の早期発見の重要性を示しています。特に、急性無胆石性胆嚢炎のような疾患は小児において非典型的な症状を呈するため、診断が困難になる可能性があります。一次医療施設での早期認識と適切な転院は、診断の遅延を防止し、効果的な管理を確保し、最終的に患者の予後を改善し、さらなる合併症を予防するために不可欠です。
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