小児炎症性腸疾患における腎結石形成促進因子および抑制因子のリスクプロファイル
DOI:10.1007/s00467-025-06851-w
アブストラクト
背景:腎結石症は、主に高シュウ酸尿症に起因する成人炎症性腸疾患(IBD)のよく知られた腸管外合併症である。一方、小児IBDに関するデータは限られている。本研究の目的は、結石促進因子および抑制因子ならびにそれらの影響要因に関する尿成分を分析することにより、IBDを有する小児・青年における腎結石リスクを評価することである。
方法: 本横断研究では、外科的治療を受けていないIBD小児・青年107例と健常対照群27例の24時間尿成分を、腎結石発症リスクの観点から分析した。これにはCMC指数(クエン酸×マグネシウム)/カルシウムを用いた評価を含む。 影響因子として、小児クローン病活動性指数(PCDAI)、小児潰瘍性大腸炎活動性指数(PUCAI)、および便中カルプロテクチン(FC)により評価した疾患活動性を検討した。
結果:石形成抑制因子は寛解期よりも活動期IBDで低値を示した(クエン酸塩:P=0.001、マグネシウム:P=0.004)。CMC指数も活動期疾患で低下(P=0.001)し、これらの小児における尿路結石形成能の増加を示唆した。PCDAIおよびPUCAIはCMC指数の予測因子であった。 この関連性は、IBD群、活動性IBD群(B=-0.072、P=0.029、調整済みR=0.114)、潰瘍性大腸炎群、高FC潰瘍性大腸炎群(B=-0.095、P=0.039、調整済みR=0.388)で確認された。 寛解期/非活動性疾患患者および低FC患者では、尿石症リスクに関して尿組成は健常対照群と差異が認められなかった。高シュウ酸尿症は小児IBDと関連しなかった。腎結石症の有病率は0%であった。
結論:小児活動性IBD患者において、尿中の結石形成関連変化をモニタリングしCMC指数を算出することは、小児期の結石有病率は低いものの、後発性腎結石症のリスク患者を早期に特定する一助となり得る。
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