米国における阻害物質を持たない血友病患者のコホートにおける治療と疾病負担
DOI:10.1111/hae.70078
アブストラクト
はじめに:血友病は、第VIII因子または第IX因子の欠乏によって引き起こされる出血性疾患である。過去数十年間で血友病治療は大きく進歩し、予防療法のための多様な製品が利用可能となり、治療の個別化が可能となり、その結果として平均余命と生活の質が向上した。こうした進歩にもかかわらず、疾患そのものと治療の両方から生じる未解決の負担が残っている。実世界データは、血友病患者の体験を理解し、最も満たされていないニーズの領域に関する知見を得る機会を提供する。目的:実世界データを用いて血友病の治療および疾患負担を評価すること。方法:米国全域から自発的に参加した阻害因子陰性血友病患者446名の医療記録データと患者報告アウトカムを、オンライン研究プラットフォームを用いて統合した。参加者の治療負担と疾患負担は、それぞれ血友病治療体験尺度(Hemo-TEM)および患者報告アウトカム測定情報システム(PROMIS)-29を用いて評価した。結果は血友病のタイプと疾患重症度で層別化した。結果:本実世界データは、治療レジメンや疾患重症度に関わらず、血友病患者が治療負担と疾患負担を経験していることを示した。治療負担の影響が最も大きかった領域は身体的影響と情緒的影響であり、疾患負担の影響が最も大きかった領域は身体機能、疼痛干渉、抑うつ、不安であった。結論:これは、実臨床環境における血友病患者の視点が臨床試験データを補完する貴重な情報源であることを強調している。こうした知見は個別化治療選択肢の指針となり、現在の未充足ニーズへの対応に寄与する可能性がある。
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