痙性脳性麻痺を有する小児のメタボロミクス解析:ケースコントロール研究。
DOI:10.1186/s12887-025-05828-w
アブストラクト
背景:痙性、疼痛、疲労などの痙性脳性麻痺(CP)の二次的な合併症は、代謝異常を引き起こす可能性があります。本研究の目的は、痙性CPを有する小児の血漿代謝プロファイルを解析し、通常発達対照群と比較することでした。方法:本症例対照研究(CP群:n=50、対照群:n=55)は、2020年9月から2020年11月までメルシン大学病院で実施されました。3~10歳の痙性CP患者と、年齢および性別が一致した通常発達対照群が研究対象に含められました。 anthropometric measurements(身体測定データ)と臨床プロファイルのデータが収集されました。非標的代謝組学のための血漿サンプルが採取されました。GC-MSに基づく代謝組学解析が実施されました。多変量解析、主成分分析、経路解析にはMetaboAnalystソフトウェアが使用されました。
結果:痙性四肢麻痺、痙性二肢麻痺、痙性片麻痺はそれぞれ26例(52%)、14例(28%)、10例(20%)に認められ、31例(62%)は歩行不能でした。22例(44%)にてんかんおよび抗てんかん薬の使用が認められました。年齢別体重、年齢別身長、体格指数(BMI)のZスコアは、CP群で有意に低値でした(p<0.05)。全対象者で224の代謝物が検出されました。そのうち、CP群では対照群と比較して14の代謝物が有意に高値、37の代謝物が有意に低値でした。CP群で最も顕著な変化は、アミノアシルtRNA生合成、チロシン代謝、バリン、ロイシン、イソロイシン生合成、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸代謝、アルギニンとプロリン代謝、クエン酸回路(TCA回路)、ガラクトース代謝、グルタチオン代謝において観察されました。対照群、てんかんを伴うCP群、てんかんを伴わないCP群の間で、45の代謝物が統計的に有意な差を示しました。コントロール群、歩行可能なCP群、および歩行不能なCP群の間で、34の代謝物が統計的に有意な差を示しました。結論:痙性CP患児の血漿は、通常発達児と比較して、エネルギー代謝、タンパク質合成、およびアミノ酸代謝の異常と関連していました。粗大運動機能レベルと随伴するてんかんも、代謝物プロファイルを変化させる可能性があります。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。