中国神経筋疾患センターにおける筋疾患を伴う中性脂質貯蔵症の臨床病理遺伝学的特徴。
DOI:10.1186/s13023-025-03861-7
アブストラクト
背景:中性脂質貯蔵症候群を伴う筋疾患(NLSDM)は、パタチン様ホスホリパーゼドメイン含有タンパク質(PNPLA2)遺伝子の変異により引き起こされる希少な遺伝性筋疾患です。現在までに報告された症例数は限られており、疾患の臨床症状と遺伝子型の関連性は不明なままです。
結果:本研究では、中国の神経筋疾患センターからNLSDM患者8例を報告し、次世代シークエンス解析によりPNPLA2遺伝子における2つの新規変異を同定しました。人口統計学的データ、臨床所見、筋電生理学的、画像診断、病理学的、遺伝学的解析の結果を収集しました。コホート内の複数の患者で、右上肢の筋力低下を初発症状として呈することが確認されました。特に、本シリーズで初めて顔面筋の関与を呈した患者が報告されました。筋組織病理学検査では、タイプ1筋線維に脂質滴の特異的な蓄積が認められ、タイプ1筋線維の萎縮とタイプ2筋線維の肥大が同時に観察されました。この所見は、要約的な形で初めて体系的に記述されました。結論:本研究は、NLSDMの異常な臨床病理学的特徴をまとめ、遺伝子変異と疾患表現型との関連性を探索する契機となりました。
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