シチリアにおける呼吸器合胞体ウイルス(RSV)による入院患者数(2008年から2021年):臨床的特徴と重症化の予測因子。
DOI:10.1186/s13052-025-01998-6
アブストラクト
背景:呼吸器合胞体ウイルス(RSV)は、急性下気道感染症による入院の主要な原因であり、世界中で年間360万人の入院と5歳未満の子供10万1,400人の死亡を引き起こしています。ヨーロッパでは、乳児におけるRSV関連入院の推定発生率は1.8%です。本研究では、2008年から2021年にかけてシチリア(イタリア)の病院に入院した患者におけるRSV感染の発生率を報告し、RSV陽性患者の臨床・疫学的特徴を分析し、疾患の重症度に関連する合併症を評価します。方法:すべてのデータは、標準的な退院記録(HDR)から後方視的に収集されました。単変量解析で有意な要因を、段階的順序選択法を用いた多変量ロジスティック回帰分析に含め、調整オッズ比(aOR)を算出し、集中治療室(ICU)入院の独立したリスク要因を同定しました。結果:研究期間中、RSV関連入院は4,485件、ICU入院は271件(6%)、死亡は8件(0.2%)でした。入院患者の大多数(86%)は乳児(1歳未満)、16.5%は新生児(28日未満)、10.1%は1~4歳でした。多変量ロジスティック回帰分析により、新生児敗血症、新生児呼吸窮迫症候群、年齢(月齢)がICU入院の予測因子として同定されました。
結論:RSV関連疾患はシチリアにおける入院の重要な原因であり、特に0~3ヶ月齢の若年層と、栄養障害や代謝障害(小児サブグループでより強い影響)および先天性心疾患などの合併症が重要な予後予測因子です。ただし、RSV関連疾患が健康な小児や成人においても入院を要する状況が続いていることを考慮すると、既存の予防戦略の実施を指導し、新たな戦略のコスト‒ベネフィット分析に資するため、更新された疫学研究を通じてRSV関連入院のモニタリングを継続することが重要です。
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