エストニアにおける2021年から2022年までの期間において、政策措置、学校休校、および旅行がSARS-CoV-2感染の発生率に与えた影響。
DOI:10.1371/journal.pone.0327719
アブストラクト
目的:COVID-19パンデミック中に実施された政策措置、旅行、および学校休校は、子どもと成人におけるSARS-CoV-2感染の拡大に異なる影響を及ぼした可能性があります。本研究では、政策措置、学校休校、および旅行が、子どもと成人におけるSARS-CoV-2感染の発生率に与える影響を明らかにすることを目的としました。
方法:2021年2月1日から2022年5月1日までのSARS-CoV-2感染の全体的な発生率は、ランダムサンプルのシーケンス結果に基づいて系統を推定し、系統ごとの発生率(10万人あたり)に分解しました。エストニアの4地域における成人(15歳以上)と小児(15歳未満)の発生率データに、現象学的ロジスティック成長モデルを適合させました。政策措置、学校休校、旅行関連症例数、累積ワクチン接種率または感染率など、ウイルスの拡散に影響を与える要因を共変量としてモデルに組み込み、その影響を検証しました。
結果:研究期間中、最も一般的な11の系統(アルファ1、デルタ6、オミクロンBA.1 2、オミクロンBA.2 2)が、小児と成人におけるSARS-CoV-2感染の84.7%と85.8%を占めました。最終モデルによると、デルタ変異株は成長速度が遅く、最大累積発生率が低かったです。前週の職場閉鎖数と同一週の学校休校日は減少しましたが、同一週の旅行関連症例数は発生率の増加と関連していました。子どもと成人間で差は観察されませんでした。検査率は学校休校期間中、学校期間中よりも低かったです(中央値(四分位範囲)1,964(1,437-2,970)対 3,136(2,476-4,417)対 10万人あたり;p<0.001)。40.3%の週で旅行関連症例が検出され、非旅行関連感染の発生率の(IQR)2.1%(0.9-4.3%)を占めました。
結論:本研究は、SARS-CoV-2感染の広がりが小児と成人で類似していたことを示唆しています。職場の閉鎖は伝播を減少させましたが、学校休暇中は検査件数の減少が報告された発生率の低下に寄与し、旅行関連症例は過小報告されていた可能性があります。
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