喘息管理における身体活動の有効性:系統的レビューの概観。
DOI:10.1371/journal.pone.0325488
アブストラクト
背景:身体活動(PA)は、喘息患者の運動能力、心肺機能、および生活の質を改善するための有望な非薬物療法としての補完的介入として注目されています。本レビューは、喘息管理における身体活動をスケーラブルな補助療法として臨床的に有効かどうかを評価するため、既存の証拠を体系的に整理します。
方法:2025年2月12日までに発表された、喘息管理における身体活動の有効性に関する系統的レビュー(SR)を、12の電子データベースで検索しました。文献は2名の研究者によって独立してレビューされ、データが抽出・検証されました。スクリーニングに関する紛争を調整するため、第三の著者が指定されました。SRsの方法論的品質は、A Measurement Tool to Assess SRs 2(AMSTAR 2)チェックリストを使用して評価され、主要なアウトカムの証拠の確実性は、Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation(GRADE)フレームワークを使用して評価されました。
結果:本研究では、2000年から2024年に発表された34件のSR(定量的合成を含む)を分析しました。対象は喘息患者集団(成人9件、小児8件、成人と小児の混合コホート17件)で、参加者は113人から2,280人、疾患の重症度は軽度から重度まで多岐にわたりました。AMSTAR 2により、10件のSRは中等度から高の質と評価されましたが、残りのSRは低または非常に低い質に分類されました。GRADEの証拠の質評価枠組みを用いて、SRの証拠の質を評価しました。中等度の質を有する13件の証拠と、低または非常に低い質を有する51件の証拠が、喘息の生活の質、喘息のコントロール、肺機能、運動能力、呼吸筋力のアウトカムに対する身体活動の効果を支持しています。
結論:身体活動への参加は、喘息関連アウトカムを著しく改善することが示されています。特定の介入は多様な領域で標的とした効果を提供します:有酸素運動はAQLQスコアと肺機能指標(FEV1、FVC、PEF)を改善し、呼吸訓練はAQLQ、FVC、PImaxを改善し、ヨガはAQLQ、FEV1、FVCの改善と関連し、水泳はFEV1の増加をもたらし、吸気筋トレーニングはFEV1、FVC、PEF、PImaxの改善をもたらします。ただし、既存の証拠基盤を強化するため、より厳格な研究が緊急に必要です。さらに、喘息患者間の大きな個人差を考慮すると、個人に合わせた運動処方箋の作成が、より良い臨床結果をもたらすと期待されています。
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