COVID-19パンデミック前と期間中の米国青少年におけるメンタルヘルス問題の変化とメンタルヘルスケアへのアクセス:子どもの健康に関する全国調査の結果。
DOI:10.1186/s12889-025-23396-7
アブストラクト
目的:思春期におけるメンタルヘルス問題の増加は、米国における重要な公衆衛生上の課題です。この懸念される傾向がCOVID-19パンデミックによってどのように悪化したかを理解することは、極めて重要です。全国代表サンプルを用いて、COVID-19が思春期のメンタルヘルスとメンタルヘルスケアへのアクセスに与えた影響を評価しました。
方法:データは、米国における思春期の若者の健康と福祉に関する年次調査である2019年と2022年の「National Survey of Children's Health(NSCH)」から抽出されました。本分析には、12~17歳の思春期の若者31,258名が対象となりました。主要なアウトカムは、過去12ヶ月間の(1)メンタルヘルス問題の有無(はい/いいえ)と(2)メンタルヘルスケアへのアクセス(はい/いいえ)の報告でした。2019年から2022年までのメンタルヘルス問題とメンタルヘルスケアへのアクセスの変化を評価するため、別々の多変量ロジスティック回帰モデルを実行しました。
結果:全体として、2022年の思春期におけるメンタルヘルス問題の報告率は2019年よりも高く(30.6%、95% CI: 29.4-31.9%)対(26.9%、25.2-28.6%)(p=0.001)でした。回帰分析の結果、非ヒスパニック系黒人、親の学歴が高い、または幼少期の逆境体験を有する青少年は、親が報告するメンタルヘルス問題のリスクが高いことが示されました(すべてp<0.001)。メンタルヘルスケアへのアクセスに関する回帰モデルの結果では、少女は少年よりもメンタルヘルスケアへのアクセス率が高かった(AOR=2.15、95% CI:1.80-2.58)。高所得の家庭、保険加入者、施設が充実した地域、都市部に居住する青少年、および幼少期の不利な経験を有する青少年は、いずれも同年代の他の青少年よりもメンタルヘルスケアへのアクセス率が高かった。(すべてp<0.05)。結論:2019年から2022年にかけて、COVID-19パンデミックの前後において、思春期におけるメンタルヘルス問題の有病率は増加した一方、メンタルヘルスケアへのアクセス率は減少しました。この傾向は注意深く監視する必要があります。また、影響を受けた思春期の人々を支援するための特別な努力が求められます。
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