血友病Bに対する延長半減期第IX因子(rIX-FP)の予防的投与の実臨床アウトカム比較:rFIXFcおよびN9-GPとの対照試験-ドイツの診療記録データに基づく分析-
DOI:10.1007/s12325-025-03336-y
アブストラクト
はじめに:ドイツでは、血友病B患者(PwHB)の治療に3種類の半減期延長型第IX因子(FIX)製剤が一般的に使用されている。しかし、PwHBに対する治療法の差別化は依然として重要な課題である。本研究の目的は、ドイツの臨床現場における予防的投与において、rIX-FPとrFIXFcおよびN9-GPの効果および使用状況を比較評価することである。
方法:中等度/重度の血友病Bを有する12歳以上のPwHBを対象に、rIX-FP、rFIXFcまたはN9-GPによる予防療法を12ヶ月以上受けた症例について、カルテの遡及的レビューを実施した。 主要評価項目はFIX消費量、副次評価項目は年間出血率(ABR)、年間自然出血率(AsBR)、年間関節出血率(AjBR)とした。結果:対象患者138例(rIX-FP群52例、rFIXFc群55例、N9-GP群31例)を分析した。 rIX-FP群の平均FIX消費量(46.9 IU/kg/週)はrFIXFc群(70.1 IU/kg/週、p=0.0083)より有意に低かったが、N9-GP群(47.2 IU/kg/週、p=0.9331)とは有意差が認められなかった。 rIX-FP予防投与を受けたPwHBは、N9-GP投与群と比較して平均出血率が有意に低かった(ABR:0.8 対 1.5、p=0.0472、AsBR:0.1 対 0.6、p=0.0092、AjBR:0.2 対 0.6、p=0.0140)。 rIX-FPとrFIXFcの出血率は有意差を示さなかった。結論: rIX-FP予防投与は、rFIXFcと比較して、FIX消費量を有意に低下させ、出血率を数値的には(ただし有意ではない)低下させた。N9-GPと比較して、rIX-FPによる予防投与は、同等のFIX消費量と有意に低い出血率を伴った。
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