小児運動機能の客観的評価のための形状ベース機能指標
DOI:10.1371/journal.pone.0332383
アブストラクト
脊髄性筋萎縮症(SMA)やデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)などの神経筋疾患における臨床評価は、治療効果や疾患進行のモニタリングにおいて依然として主観的指標に依存している。本研究では、DMD患者19名、SMA患者9名、年齢一致対照群13名を対象に、ウェアラブルセンサーを用いた日常活動中の運動機能を客観的に評価する新規手法を導入する。小児の運動データは、成長期の四肢長変動や運動速度のばらつきといった交絡因子により複雑である。本手法では形状ベース主成分分析を用いて運動軌跡を整列させ、運動速度の変動や非対称性を含む特徴的な運動パターンを同定した。DMD群とSMA群の双方に、健常対照と同等の運動機能を有する個体が存在した。特にSMA患者では運動非対称性パターンの活性化が顕著であった。さらに、これらの主成分への投影と部分最小二乗法(PLS)を組み合わせ、筋脂肪浸潤、ブルックスコア(運動機能スコア)、加齢性変性変化との共変モードを特定した。その正準相関はr=0.78(95% CI:[0.34, 0.94])であり、新たな運動機能指標を提案するものである。このデータ駆動型手法は、ウェアラブルデバイスを用いた将来の在宅導入に情報を提供し、神経筋疾患児に対する治療効果の経時的追跡を改善する可能性を秘めている。
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