スペイン人1型ゴーシェ病患者における臨床的変異性と遺伝子型-表現型相関:非c.[1226A>G]; [1448T>C]遺伝子型に焦点を当てて
DOI:10.3390/ijms262010088
アブストラクト
1型ゴーシェ病(GD1)の臨床的異質性は、遺伝子型と表現型の相関が限定的であることを示している。本研究では、スペインゴーシェ病登録簿に登録されたGD1患者を対象に、NM_000157: c.[1226A>G](N370S); [1448T>C](L444P)とは異なるヘテロ接合遺伝子型を有する症例を調査した。GD1患者374例中、195例(52.1%)が代替ヘテロ接合体組合せを有し、重症型(37.9%)または中等度型(42.1%)変異に対応する変異を含む一方、軽症型変異を有する患者はわずか20%であり、その全てがN370Sとの組み合わせであった。記述統計およびロジスティック回帰と決定木に基づく予測モデルを適用した。N370S変異と異なるL444P変異を有する患者群は、ホモ接合体N370S群(38.3%)やN370S;L444P複合体群(41.0%)と比較して、進行性骨疾患の発生率が有意に高かった(59.9%)(P=0.002)。決定木解析により、診断時の骨減少症/骨粗鬆症の最強予測因子として骨髄負荷スコア(S-MRI)が同定された。また遺伝子型はパーキンソン病の主要な判別因子として浮上し、非N370S; L444P遺伝子型患者ではパーキンソニズム発症リスクが著明に高かった。全体として、N370S; L444P以外の遺伝子型を有するGD1患者は、より重篤な表現型(特に骨格病変の拡大と神経学的合併症の増加)を示す。これらの知見は、GD1におけるリスク評価と臨床管理の改善において、遺伝子型による層別化と予測モデリングの重要性を強調している。
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