小児リンパ管奇形に対するエピカジュツト療法:非無作為化臨床試験
DOI:10.1001/jamanetworkopen.2025.40897
アブストラクト
重要性:リンパ管奇形(LM)は治療選択肢が限られる先天性血管異常である。伝統的な日本漢方薬である生薬療法は炎症性疾患の治療に広く用いられ、LM患者の病変体積を減少させると報告されているが、小児患者における有効性に関するデータが不足している。
目的:小児LM患者におけるえっぴかじつとうと病変体積減少の関連性を評価する。デザイン・設定・対象者:本非盲検非無作為化臨床試験は2021年4月14日から2024年9月30日まで、日本国内の複数施設で実施された。対象は画像診断でLMが確定した18歳以下の患者。 データ解析は2024年10月14日から2025年3月4日まで実施した。介入:参加者は6か月間、えぴかじつとう顆粒(0.6 g/kg/日~7.5 g/日以下)を経口投与した。
主要評価項目: 主要評価項目は、ベースライン時および6か月後のMRI体積測定による病変体積20%以上の減少を達成した患者の割合とした。副次評価項目には、病変体積50%以上の減少、病変縮小率の中央値、生活の質の改善、および安全性が含まれた。
結果: 計19例(男性10例[52.6%];平均[標準偏差]年齢24.1[29.4]ヶ月)が登録された。6ヶ月時点で病変体積が20%以上減少したのは計10例(52.6%;90%信頼区間 32.0%-73.0%)であった。 病変縮小率の中央値は22.9%(四分位範囲:-142.3%~96.0%)であった。重篤な有害事象は発生せず、19例中17例(89.5%)で70%以上の服薬遵守率が確認された。
結論と意義:本非無作為化臨床試験において、LM小児患者に対するえぴかじつとうは病変体積の減少と良好な忍容性を示した。これらの知見を裏付けるため、無作為化臨床試験を含むさらなる研究が必要である。試験登録:日本臨床試験登録識別番号:jRCTs041210007。
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