7例の新規患者におけるEPG5関連疾患:表現型スペクトルの精緻化と表現型-遺伝子型相関に関する知見
DOI:10.1007/s12031-025-02419-3
アブストラクト
EPG5の病原性変異は、脳梁形成不全(ACC)、白内障、心筋症、色素脱失、免疫不全を特徴的所見とするヴィチ症候群(OMIM #242840)と関連している。その他の可変的特徴には小頭症、筋緊張低下、発達遅延、成長遅延が含まれる。 近年、EPG5変異を有する神経発達症候群を呈し全身症状が軽度の症例が数例報告され、臨床スペクトルの広がりが示唆されている。本報告では、エジプトの6つの非血縁家系から7例の患者を報告する。エクソーム解析により6つのホモ接合性EPG5変異(新規5例、既報1例)が同定された。患者は全般的な発達遅延、小頭症、筋緊張低下、ジストニア、発育不良を呈した。 2例にて発作が認められ、抗てんかん薬への反応は多様であった。7例中4例(57%)に毛髪・皮膚の色素薄弱が認められ、白内障と心筋症は各1例(14%)で観察された。全例に小脳・橋低形成、髄鞘形成遅延、脳室拡大に加え、ACC(側頭葉外側皮質)が認められた。 興味深いことに、前頭葉に前頭角から前頭極まで及ぶ深い裂溝が6例で確認され、これはEPG5変異体に関連する特徴的所見と考えられる。本研究はEPG5変異体に関連する表現型の多様性を明らかにするとともに、典型的な重症ヴィチ症候群から全身症状が軽度で生存期間が長い神経発達障害まで、幅広い表現型スペクトラムの存在を強調している。
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