アンジェルマン症候群動画評価法の開発:有意義な変化の定量化
DOI:10.1186/s11689-025-09655-z
アブストラクト
背景:アンジェルマン症候群ビデオ評価(ASVA)は、アンジェルマン症候群(AS)患者の慣れた環境における機能的能力を評価するために開発された、臨床医報告型のアウトカム測定法である。 標準化された課題と関連スコアカードを通じて、臨床医は4つの重要な機能領域(コミュニケーション、日常生活動作(ADL:微細運動技能を含む)、粗大運動技能、外部指示(指示に従う能力))を、予め設定された基準に基づくスコアカードを用いて評価する。本プロジェクトの目的は、ASコミュニティの介護者、臨床医、研究者と連携し、厳密なプロセスを用いてスコアカードを開発・改良することである。
方法: スコアカード開発プロセスは4段階で構成:(1) 動画素材の検討、(2) 初期評価基準の特定、(3) スコアカード草案作成、(4) 合意形成のための2段階修正デルファイ法(介護者・臨床家パネルと理学療法士パネル)。全段階は遠隔で実施したが、介護者・臨床家パネルの第2ラウンドのみ対面で実施。 各評価基準について投票を実施し、合意は70%以上の一致と定義した。結果:コミュニケーション、ADL、外部指向の領域では、介護者(n=8)と臨床医(n=2)の間で評価基準が80~100%の合意に達し、10のタスクにわたり合計218の評価基準とレベルが設定された。 粗大運動領域では、理学療法士(n=8)間でスコアカード基準が100%合意に達し、8つのタスクにまたがる合計347のスコアリング基準とレベルが設定された。
結論:ASVAは、AS患者の介護者、臨床医、研究者を含むASコミュニティからの知見を基に開発された。ASVAは、厳格なプロセスを通じて開発された標準化された動画記録とスコアカードを用いる、疾患特異的な臨床医報告型アウトカム測定法である。これにより、AS患者のコミュニケーション、ADL、粗大運動機能、外部指示における機能の変化を定量化する、十分に確立された基準が得られた。
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