COVID-19ウイルス量における年齢、性別および季節による差異:レバノンにおける横断研究
DOI:10.1186/s12879-025-11955-7
アブストラクト
背景:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)と呼ばれるウイルスによる呼吸器感染症である。世界中で600万人以上の死者を出しており、現在も日常生活に影響を与え続けている。本疾患の診断は、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)によるCT値(サイクル閾値)の測定に依存しており、CT値が高いほどウイルス量が少ないことを示す。 COVID-19の病態生理学、症状、治療法については研究が進んでいるが、ウイルス量が年齢、性別、季節によってどのように変化するかについて大規模に検討した研究は少ない。本研究は、レバノンにおける初期横断研究において、性別、年齢、季節的変化がCOVID-19のウイルス量に影響を与えるかどうかを明らかにすることを目的とする。
方法:本研究のデータはパンデミック発生以降、アルハディ医療センターから収集した。分析対象は合計686,739名。利用可能なデータから年齢、性別、季節変動を抽出した。1歳未満の個人は研究対象から除外した。
結果:PCR陽性の予測因子として、女性であること、小児または高齢者であること、寒冷湿潤期に検査を受けたことが確認された。小児は高齢者に比べCT値が高い傾向を示した。線形回帰分析では、年齢が1歳増加するごとにCT値が0.013低下することが明らかになった。性別では、女性は男性に比べ平均0.149低いCT値を示した。 最後に、寒冷で雨の多い季節では高温乾燥期と比較してCT値が平均1.392高かった。結論:性別、年齢、季節変動はCOVID-19のウイルス量を予測する軽微な因子である。これらの人口統計学的・季節的要因はウイルス量に影響を与える可能性があり、SARS-CoV-2陽性患者の感染対策戦略および臨床管理を実施する際には考慮すべきである。
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