内向化行動と外向化行動の発現における調整変数としての性別と年齢:児童行動チェックリスト(CBCL)からの知見
DOI:10.1186/s40359-025-03529-8
アブストラクト
背景:不安障害で紹介される子どもは、内向性と外向性の問題の両方を示すことが多いが、これらの行動表現を形成する上で性別と年齢が果たす役割は依然として不明である。先行研究では、性差は発達過程で変化する可能性があることが示唆されているが、知見は一貫していない。方法:2013年から2021年の間に米国北東部にある小児不安専門クリニックに紹介された600名の子ども(6~17歳、 53.2%が男性)を対象に分析した。対象は2013年から2021年にかけて米国北東部にある小児不安専門クリニックに紹介された児童である。保護者は児童行動チェックリスト(CBCL/6-18)に回答した。ヘイズのPROCESSマクロを用いて、交互作用項(性別×年齢)を含む通常最小二乗回帰モデルを推定した(モデル1)。 ジョンソン・ネイマン法を用いて、性差が有意な発達時期を特定した。結果: 性は年齢とCBCLスコアの関連を有意に調整した。6~9.7歳の男児は女児より高い外向性スコアを示し、10.4歳以降の女児は高い内向性スコアを示した。交互作用の効果サイズは中程度であった(ΔR²範囲=0.03~0.05)。
結論:本結果は、不安症状を主訴とする青少年の行動問題の発現が、性別と発達段階の両方によって異なることを示唆している。男子における早期の外向性問題と女子における後期に現れる内向性問題は、小児不安症集団における年齢・性別特異的な経過に対する評価・介入において、年齢・性別に配慮したアプローチの構築に寄与し得ることを示している。
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