HPVワクチン未接種の日本人思春期におけるワクチン関連症状の有病率:VENUS研究データベースからの記述的研究
DOI:10.1016/j.vaccine.2025.128020
アブストラクト
背景:日本ではヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの積極的推奨が2013年に中断され、2022年に再開されたが、この9年間の休止期間を経てHPVワクチン接種率は回復が遅れている。本研究の目的は、未接種者におけるHPVワクチン接種後の有害事象に類似した多様な症状(DS)の有病率を算出することである。
方法: 本研究は、4つの自治体における国民健康保険請求データと予防接種登録データを連結した「ワクチン効果・ネットワーク・ユニバーサル安全性(VENUS)研究」データベースを用いた人口ベースの記述研究である。 2017年4月から2022年3月までの請求記録を有する10~19歳の未接種者を対象とした。DSは文献で既知の27症状のICD-10コードを用いて定義し、3ヶ月超の持続を症状発現の指標とした。特定可能な基礎疾患を有する症例は小児科医による合意審査で除外した。DSの有病率は年度別、年齢層別、性別別に算出した。
結果:DSは1891例で発生した。DSの全体有病率は0.15%であり、女性の方が男性よりわずかに高かった。最も頻度の高い症状は皮膚疾患(10~14歳男性:0.83%)、睡眠障害(15~19歳女性:0.44%)、 頭痛(10~14歳の女性、0.40%)、月経不順(15~19歳の女性、0.38%)であった。自治体間やCOVID-19パンデミック期間中における有病率の顕著な変動は認められなかった。
結論:本研究結果は、HPVワクチン未接種の日本人思春期女性においてもDSが客観的に確認されることを示している。これらの知見は、日本人思春期女性におけるHPVワクチン接種率向上の支援に寄与し得る。
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