糖尿病性ケトアシドーシスの小児における有害転帰の危険因子。
DOI:10.1210/clinem/dgae500
アブストラクト
目的:糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)および/または高血糖高浸透圧状態(HHS)の小児で有害転帰のリスクが高い患者を特定するための多変量モデルを開発し、COVID-19パンデミック中およびパンデミック後の有害転帰の解析に応用する。
方法:2010年1月~2023年6月に大規模小児病院へ入院した4565例(DKA単独4284例,HHSのみ31例[0.7%],高浸透圧DKA 250例[5.4%])の臨床データをレトロスペクティブレビュー。2010~2019年(N=3004)のデータをトレーニングデータセットとして、2020~2021年(N=903)および2022~2023年(N=658)のデータをバリデーションに用いた。死亡または48時間を超える集中治療室滞在は、複合「有害転帰」群を構成した。この複合転帰のリスクは一般化推定方程式を用いて評価した。
結果:有害転帰を示した入院は2010~2019年に47例(1.5%),2020~2021年に46例(5.0%),2022~2023年に16例(2.4%)であった。8例が死亡した(0.18%)。最大血清グルコース、初期pH、2型糖尿病の診断が有害転帰を最も強く予測した。2型糖尿病患者の割合は2020-2021年に最も高かった。これらの因子を組み込んだ多変量モデルは、トレーニングデータセットにおいて複合アウトカムに対して優れた識別力(受信者操作特性曲線下面積[AUC]0.948)を示し、2020~2021年および2022~2023年の検証データセットにおいてもそれぞれ同様の予測力(AUC 0.960および0.873)を示した。完全データセットでは、死亡に対するAUCは0.984であった。
結論:2型糖尿病および初期高血糖とアシドーシスの重症度は、有害転帰の独立したリスク因子であり、COVID-19パンデミックにおける有害転帰の頻度の高さを説明する。リスクは2022年1月から2023年6月にかけて減少した。
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