商業食品および非アルコール飲料のマーケティングが小児・青少年の食事摂取に及ぼす影響とは何か?公平性の視点に基づくシステマティックレビューおよびメタアナリシスのプロトコル
DOI:10.1186/s13643-025-02978-x
アブストラクト
背景:これまでのレビューでは、食品・飲料のマーケティングが子どもの食事摂取量を増加させることが示されている。しかし、COVID-19パンデミック以降、更新されたレビューは実施されていない。さらに、この影響が社会人口統計学的要因やマーケティング媒体によってどのように異なるかに関する証拠は限られている。本研究は、食品・飲料のマーケティングへの曝露が子どもの食事摂取量に及ぼす影響を評価・定量化し、年齢、性別、民族、社会経済的地位、マーケティング媒体に基づく変動を検証することを目的とする。
方法: 1970年から2020年3月までに世界保健機関(WHO)向けに実施された2件の先行レビューから食事摂取量に関する研究を抽出し、2020年4月から2024年10月にかけて19のデータベースを検索することで、査読済み一次研究の系統的レビューを実施する。文献検索は、抽出したレビュー及び対象研究の遡及的引用検索によって補完する。 検索用語は3つの主要概念(食品・飲料関連マーケティング、食事摂取、人口)を網羅する。対象研究は広告が食事摂取に与える影響を評価したものであること。2名の独立した査読者が文献レビュー、データ抽出、質評価を実施し、不一致は第3の査読者と合意形成により解決する。データは標準化されたエビデンス表に抽出され、必要に応じて定量的知見を統合するメタ分析に組み込まれる。 バイアスリスクは、ランダム化比較試験にはRisk of Bias 2ツールを、非ランダム化研究にはNewcastle-Ottawa Scaleを用いて評価する。出版バイアスはファンネルプロットとトリム・アンド・フィル法で検討し、異質性はI統計量で評価する。エビデンスの総合的質はGRADEアプローチで評価する。
考察:本レビューは、1970年から2024年までの研究を対象に、食品・飲料マーケティングへの曝露が子どもの食事摂取に及ぼす影響を包括的に評価する初の試みである。また、社会人口統計学的グループやマーケティング媒体による効果の潜在的な異質性も評価する。本知見は、マーケティングに起因する子どもの食事リスク低減を目的としたエビデンスに基づく政策立案に寄与する。 限界点としては、2020年4月以前に発表された研究についてはWHO委託の先行レビューに依存すること(選択バイアス導入の可能性)と、急性曝露に焦点を当てていること(現実世界の長期的影響への適用性を制限する可能性)が挙げられる。システマティックレビュー登録:PROSPERO CRD42025641870。
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