健康診断結果報告書や患者サマリーの実装を目指す――電子カルテ情報共有サービス
厚生労働省(以下、厚労省)は、9月11日に開催された第18回健康・医療・介護情報利活用検討会医療等情報利活用ワーキンググループ(以下、ワーキンググループ)で、本人および事業者、保険者等に送られる「健康診断結果報告書」を電子カルテ情報共有サービス(仮称)稼働時の実装を目指すことを提案した。
電子カルテ情報共有サービス(仮称)は、オンライン資格確認等システム基盤を活用し、電子カルテ情報等を登録することで、1)文書情報を医療機関等が電子上で送受信できる、2)全国の医療機関等で患者の電子カルテ情報(傷病名・アレルギー・感染症・薬剤禁忌・検査・処方の6情報)を閲覧できる、3)本人等が、自身の電子カルテ情報(6情報)を閲覧できる――という主な3つの仕組みからなるサービス。政府が6月に決定した医療DX推進に関する工程表によると、2024年度中に電子カルテ情報の標準化を実現した医療機関等から順次運用を開始する予定だ。
厚労省は、「健康診断結果報告書」について、現在紙などで送られる場合も多く、また結果取得までの時間がかかることなどを受け、サービスの実装を提案。対象となる健診として、特定健診、後期高齢者健診、事業者健診、人間ドックなどを挙げ、今後検討・調整していくとした。
6情報に加えて療養上の計画やアドバイスを患者自身が閲覧できる「患者サマリー」
この他にもワーキンググループにおいて、患者が自分の病態を把握し、医師からアドバイスを受ける「患者サマリー」(Patient Summary)を、電子カルテ情報共有サービス(仮称)に追加してはどうか、との厚労省による提案が行われた。「患者サマリー」は、6情報に加えて、療養上の計画やアドバイスをマイナポータルで閲覧できる仕組みのこと。
具体例として、「1日〇分、〇〇程度の運動を行いましょう」「〇カ月ごとに血液検査を予定しています」「○○の疾患について、診療所Aを受診してください」といった療養上の計画・アドバイスがマイナポータル上で閲覧できるイメージ案が示された。医師からのアドバイスのほか、▽患者が他院に受診する際に医療者に情報共有する▽救急搬送時に医療機関に情報提供する項目とする、などの利用が想定されている。(HealthDay News 2023年10月4日)