FGF20およびPGM2の変異体は、家族ベースの全ゲノムシークエンス研究において、小児喘息と関連している。
アブストラクト
背景: 喘息は多様な呼吸器疾患の一つであるが、その理解はまだ十分ではない。確立された遺伝的関連では高い推定遺伝率を説明できず、喘息の有病率は集団や地理的地域によって異なる。異なる遺伝的祖先と全ゲノム配列データを組み込んだロバストな関連解析により、新たな遺伝的関連を見出すことができるかもしれない。
方法:「The Genetic Epidemiology of Asthma in Costa Rica」研究(GACRS)および小児喘息管理プログラム(CAMP)の全ゲノム配列(WGS)データに基づき、小児期発症喘息の家族ベースのゲノムワイド関連解析を実施した。喘息と診断された子どもを持つ親子トリオをもとに、加法性・劣性遺伝モデルを用いた単一バリアント解析、低頻度・希少バリアントの領域別関連解析を実施した。
結果:1180人の喘息トリオ(GACRSトリオ894人、CAMPトリオ286人、WGSデータを持つ合計3540サンプル)をもとに、小児喘息に関連する3つの新規遺伝子座を特定した:4p14上のrs4832738($p=1.72ast {10}^{-9}$,劣性モデル),8p22上のrs1581479($p=1.47ast {10}^{-8}$,加法モデル),10q26上のrs73367537($p=1.21ast {10}^{-8}$,GACRSのみ加法モデル)であった.統合的解析により、これらの関連性の基盤となる新規候補遺伝子の可能性が示唆された。4p14のPGM2、8p22のFGF20である。
結論:家族ベースの全ゲノム配列解析により、小児喘息に関する3つの新規遺伝子座が同定された。遺伝子発現データと統合解析により、4p14上のPGM2と8p22上のFGF20が関連遺伝子であることが示唆された。さらに、領域ベースの解析では、8p22に独立した低頻度/希少バリアントが関連する可能性があることが示唆された。これらの関連性の機能的メカニズムや一般化可能性を理解するために、フォローアップの分析が必要である。