ターナー症候群の青年および若年成人における思春期誘発後のホルモン補充療法:調査研究。
アブストラクト
はじめに:ターナー症候群(TS)は原発性卵巣機能不全(POI)を伴い、TSの青年・若年成人(AYA)のほとんどはホルモン補充療法(HRT)による治療を必要とする。思春期誘発後のHRTの最適な処方と用量については、国際的なコンセンサスガイドラインは不明確である。本研究では、北米の内分泌専門医と婦人科医の現在のHRT診療パターンを評価した。
方法:北米小児思春期婦人科学会(NASPAG)および小児内分泌学会(PES)の電子メールリストサーブの会員を対象に、TSを有するAYAにおける思春期誘導完了後のPOIの管理に関するHRT治療の嗜好を評価するため、19の質問から成る調査への回答を求めた。記述分析および多項ロジスティック回帰による、HRTの嗜好に関連する因子の予測結果を示す。
結果:155人の医療提供者(79%が小児内分泌科、17%が小児婦人科)が調査に回答した。87%(135人)がHRTの処方に自信があると回答したが、公表されているガイドラインを知っていたのは半数(51%、79人)に過ぎなかった。好ましいHRTと有意に関連する因子として、専門分野(p = 0.032)および3ヵ月ごとに受診するTS患者の数(p = 0.024)が挙げられた。婦人科医は内分泌科医に比べ、ホルモン性避妊薬を好む傾向が4倍低く、経皮エストラジオール量100μg/日を好む傾向が低用量に比べ4倍高かった。
結論:内分泌専門医と婦人科専門医のほとんどが、思春期誘発後にTSを有するAYAにHRTを処方することに自信があると報告しているが、専門分野や診療におけるTS患者の多さによって、医療提供者の嗜好には明らかな違いがある。HRTレジメンの比較有効性に関する追加研究と、TSを有するAYAに対するエビデンスに基づくガイドラインが必要である。