肝線維化:失調症-血管拡張症患者における肝疾患の進展の現れ。
アブストラクト
背景:Ataxia-telangiectasia(A-T)は、複数の臓器やシステムの変化を特徴とするDNA修復障害である。臨床プロトコルの進歩により、A-T患者の生存率は向上しているが、主に代謝と肝臓の変化により、疾患の進行は明らかである。
目的:A-T患者における著しい肝線維化の頻度を明らかにし、代謝異常や運動失調の程度との関連性を検証すること。
方法: 本研究は、5歳から31歳のA-T患者25名を対象とした横断的研究である。人体計測データ、肝臓、炎症、脂質代謝、グルコースバイオマーカー(インスリン曲線付き経口ブドウ糖負荷試験-OGTT)が収集された。協調性運動失調評価尺度を適用して、運動失調の程度を評価した。以下のものを算出した:ホメオスタシスモデル評価-インスリン抵抗性、ホメオスタシスモデル評価-アディポネクチン(HOMA-AD)、松田指数、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST):血小板比指数、非アルコール性脂肪肝症線維化スコア、BARDスコア。肝超音波検査とFibroScanによる一過性肝エラストグラフィーを実施した。
結果:5/25(20%)に有意な肝線維化が認められた。有意な肝線維化を認めたグループの患者は、年齢が高く(p < 0.001)、血小板数値(p = 0.027)、血清アルブミン(p = 0.019)、HDL-c(p = 0.013) および松田指数(p = 0.044 )が低く、LDL-c(p = 0.049)が高値である。049)、AST(p = 0.001)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(p = 0.002)、γ-グルタミルトランスフェラーゼ(p = 0.001)、フェリチン(p = 0.001)、OGTTによる120分血糖(p = 0.049)、HOMA-AD(p = 0.016)と運動失調の程度(p = 0.009) 。
結論:肝線維化を認めない患者と比較して、肝酵素、フェリチン、HOMA-ADの増加、運動失調の重症度などの変化を伴う著しい肝線維化がA-T患者の20%で非侵襲的に診断された。