小児サルコイドーシスの臨床的概要:トルコの多施設における経験。
アブストラクト
目的:我々は、小児サルコイドーシスの人口統計学的データ、臨床スペクトラム、治療法の概要を明らかにし、早期発症(EOS)と後期発症(LOS)の小児サルコイドーシスの違いを明らかにすることを目的とした。
方法:本研究は、小児サルコイドーシスと診断された症例のカルテを解析し、後方視的記述的デザインに従った。
結果:52例が研究に組み入れられた。発症時の年齢中央値は83(28.2-119)ヵ月、追跡期間は24(6-48)ヵ月であった。10例(19.2%)がEOS(5歳の誕生日以前)、42例(80.7%)がLOSであった。発症時の臨床所見で最も多かったのは眼症状(40.4%)で、次いで関節症状(25%)、皮膚症状(13.5%)、多臓器病変に関する特徴(11.5%)であった。眼症状では前部ぶどう膜炎が最も多く(55%)みられた。EOS患者ではLOS患者よりも関節、眼、皮膚に多くの所見がみられた。EOS患者(5.7%)とLOS患者(21.1%)における疾患の再発率は統計学的に差がなかった(P = 0.7)。
結論:EOSおよびLOS患者は様々な臨床的特徴を呈する可能性があり、小児サルコイドーシス症例を専門分野間の協力のもとに研究することは、このまれな疾患に対する医師の認識を高め、合併症の少ない早期診断に役立つであろう。