ワクチン接種を受けたニカラグアの出生コホートにおいて、ノンシクレター表現型はロタウイルス関連急性胃腸炎のリスクの低さと関連している。
アブストラクト
背景:組織血液型抗原(HBGA)はロタウイルスワクチンの効果に関連しているが、ワクチン接種集団におけるHBGAのロタウイルス罹患率およびリスクへの影響についてはまだ十分に検討されていない。
方法:ニカラグアの小児444人を対象に、ロタウイルス関連急性胃腸炎(AGE)を出生から3歳まで追跡調査した。AGEエピソードは逆転写定量ポリメラーゼ連鎖反応によりロタウイルスを検査し、唾液または血液を用いてHBGA表現型を決定した。Cox比例ハザードモデルを用いて、HBGA表現型によるロタウイルスAGEの相対ハザードを推定した。
結果:2017年6月から2021年7月までの36ヵ月間の観察で、1689件のAGEエピソードから109検体(7%)の便検体からロタウイルスが検出された。46検体が遺伝子型決定に成功した。このうち15例(35%)がロタウイルスワクチン株G1P[8]であり、次いでG8P[8]またはG8P[nt](11例[24%])、ウマ様G3P[8](11例[24%])であった。ロタウイルス関連AGEの全発生率は100児年あたり9.2人で、非分泌者よりも分泌者で有意に高かった(9.8 vs 3.5/100児年、P = 0.002)。
結論:ワクチン接種を受けたニカラグアの出生コホートにおいて、非分泌型の表現型はロタウイルスワクチンによる臨床的失敗のリスク低下と関連していた。これらの結果は、ワクチン接種児においても、ロタウイルスリスクにおけるセクレター状態の重要性を示している。