骨形成不全症の特徴づけと診断のための尿由来細胞のRNA配列決定。
アブストラクト
DNAシークエンシングは、骨形成不全症(起立耐性失調) の遺伝子変異を同定するための信頼できるツールで あるが、特にスプライシングを変化させる変異体では、 必ずしも病原性を証明することはできない。RNAシークエンシングは、変異体が転写産物に及ぼす影響の機能的証拠を提供できるが、関連遺伝子を発現している細胞が必要である。ここでは、尿由来細胞(UDC)を用いて、起立耐性失調が疑われ る、または起立耐性失調が確認された患者における遺伝子変異の 特徴を明らかにし、意義が不明な変異(VUS)の病原性に関する証拠を 得る。45人の小児および青少年から尿検体を採取し た。このうち40人(年齢範囲4-20歳、女性21人) でUDC培養に成功し、その中にはDNA塩基配列決定で 候補変異体またはVUSを示した起立耐性失調または起 立耐性失調が疑われる18人が含まれていた。UDCからRNAを抽出し、Illumina NextSeq550装置で塩基配列を決定した。主成分分析により、UDCと線維芽細胞(Genotype Tissue Expression [GTEx] Consortiumのデータに基づく)の遺伝子発現プロファイルは、全血球のそれよりも近くに集まり、ばらつきが少ないことが示された。われわれの診断用DNA配列決定パネルに含まれた32の骨脆弱性遺伝子のうち25(78%)について、転写産物量はRNA配列決定による解析に十分であった(100万個あたり10個以上の遺伝子発現レベルの中央値として定義)。これらの結果は線維芽細胞のGTExデータと同様であった。異常スプライシングは、スプライス領域またはイントロン内のより深い部分に病原性または病原性の可能性の高い変異を持つ8人中7人で同定された。スプライシング異常は2つのVUS(COL1A1 c.2829+5G>AとCOL1A2 c.693+6T>G)でも観察されたが、他の3つのVUSではスプライシング異常は観察されなかった。また、UDC転写産物には欠失や重複の異常も観察された。結論として、UDCは起立耐性失調が疑われる患 者のRNA転写物分析に適しており、特にスプライ シングに影響する変異体について、病原性の機能的 証拠を得ることができる。2023 著者ジャーナル・オブ・ボーン・アンド・ミネラル・リサーチ は、アメリカ骨代謝学会(ASBMR)に代わり、ワ イリー・ピリオディカルズLLCが発行している。