COVID-19で入院した患者の死亡率を予測するスコアリングシステムの開発と検証:エクアドルの2つの大病院におけるレトロスペクティブ・コホート研究。
アブストラクト
目的:COVID-19の入院患者の死亡率を予測するスコアリングシステムを開発し、検証する。
方法:レトロスペクティブコホート研究。2020年2月から7月にかけて、キトとグアヤキルの2つの病院で治療を受けたCOVID-19の入院患者5,062例を解析した。生存分析とCoxモデルを用いて死亡率の予測因子を評価した。すなわち、(i)死亡予測因子を同定するための導出コホート(n=2497)と、(ii)スコアリングシステムの識別能力を検証するための検証コホート(n=2565)である。多変量解析後、最終モデルのβ係数を用いてスコアを作成した。統計解析では、Cox比例ハザード回帰モデルの作成、適合度、識別能、キャリブレーションの評価を行った。
結果:男性性[ハザード比(HR)=1.32、95%信頼区間(95%CI):1.03-1.69]、年齢が4分の1になるごとに死亡リスクが高かった(HR=1.44、95%CI:1.03-1.69)。44、95%CI:1.24-1.67)、低酸素血症の存在(HR=1.40、95%CI:1.01-1.95)、低血糖および院内高血糖(HR=1.99、95%CI:1.正常血糖、AST-ALT比>1(HR=1.55、95%CI:1.25-1.92)、CRP値>10mg/dL(HR=1.49、95%CI:1.07-2.08)、正常pH(7.35-7.45)と比較した場合の動脈pH<7.35(HR=1.39、95%CI:1.08-1.80)、白血球数>10×103/μL(HR=1.76、95%CI:1.35-2.29)であった。検証コホートにおいて、提案されたスコアには強力な識別能力が認められ[AUC:0.876(95%CI:0.822-0.930)]、さらに、カットオフスコア≧39点は、感度93.10%、特異度70.28%、分類正答率72.66%と優れた性能を示した。LR+値(3.1328)およびLR-値(0.0981)は、高リスク患者の同定における有効性をさらに裏付けている。
結論:男性性、年齢上昇、低酸素血症、低血糖または院内高血糖、AST-ALT比>1、CRP上昇、動脈pH変化、白血球増多は、COVID-19を有する入院患者の死亡率上昇と有意に関連する因子であった。COVID-19を有する入院患者の死亡率を予測するために、強い識別力と良好な較正を有する統計学的に有意なCox回帰モデルが開発され、その潜在的な臨床的有用性が強調された。