新規RNPC3遺伝子変異が先天性下垂体機能低下症および神経障害患者の表現型を拡大する。
アブストラクト
はじめに:先天性白内障、神経障害、発達遅滞/知的障害、原発性卵巣機能不全、下垂体低形成を伴う先天性下垂体機能低下症(CH)は、病因となる二卵性RNPC3変異体によって引き起こされる。ここでは、CHと神経障害を有する2例の患者の臨床的および分子学的特徴を評価することを目的とした。
材料と方法:プロバンドは臨床、検査、X線検査で評価され、その後エクソームシークエンシング(ES)が行われた。罹患した兄弟姉妹の臨床的調査および家族内の変異の分離は、サンガー配列決定によって行われた。RNPC3ペプチドの機能に対する変異の影響を予測するために、3次元タンパク質モデル研究を行った。
結果:Probandは生後16ヵ月の女児で、発育不全のため紹介された。身長、体重、頭囲はそれぞれ55.8cm(-7.6SDS)、6.5kg(-3.6SDS)、41.8cm(-3.82)であった。発達遅滞と知的障害があった。中枢性甲状腺機能低下症、成長ホルモン、およびプロラクチンの欠乏が同定され、MRIにより下垂体低形成が認められた。歩行異常のために実施された電気穿孔検査で末梢神経障害が明らかになった。ESにおいてRNPC3のホモ接合性の新規変異c.484C>T/p.(Pro162Ser)が検出された。彼女の兄も同じ遺伝子型を有しており、同様に多発ニューロパチーを伴う下垂体ホルモン欠損症であった。
結論:RNPC3変異体のスペクトルに関する知識を深め、さらなる症例の臨床的および分子学的データを把握することは、正確な診断と遺伝カウンセリングのために不可欠である。