エストロゲン補充前のターナー症候群女児において、成長ホルモン療法は子宮の大きさの改善と関連している。
アブストラクト
背景:ターナー症候群(TS)の成人女性は流産率が高いが、これはおそらく子宮の大きさと形の異常によるものであろう。エストロゲン補充療法(ERT)開始前のTSの若年女児における子宮容積(UtVol)の決定因子に関するデータは乏しい。
方法:5~15歳、思春期B1~B3、ERTを受けていないTSの就学前女児(n=73)および年齢をマッチさせた健常対照50名を対象に横断研究を行った。人体計測パラメータと成長ホルモン(GH)療法歴(1年以上)を記録した。子宮長(UtL)、UtVol、平均卵巣容積(MOV)標準偏差スコア(SDS)は、経腹超音波検査データから決定した。
結果:TS女児は年齢をマッチさせた対照群と比較して、UtVol-SDSの中央値(-1.07対0.86;p<0.001)、UtL-SDS(-3.72対-0.41;p<0.001)、MOV-SDS(-5.53対1.96;p<0.001)が低かった。TS女児では、GH投与群(n=38)は非投与群(n=35)と比較して、UtVol-SDS(-0.63 vs -1.39、p=0.0001)、UtL-SDS(-1.73 vs -6.49、p<0.0001)は高かったが、MOV-SDSは同程度であった。年齢の割に子宮容積が正常な者(NUVA、n=29)は、年齢の割にUtVolが低い者(n=44)に比べ、GHの開始時期が早く(7.8年 vs 9.3年;p=0.03)、GHの持続期間が長かった(3.71年 vs 2.14年;p=0.002)。UtVol-SDSはGH期間と相関し(ρ=0.411、p=0.01)、GH開始時の年齢とは負の相関を示した(ρ=-0.479、p=0.003)。思春期の状態、核型、身長-SDSで調整したモデルでは、GHの使用は独立してNUVAを有することを予測できた(オッズ比:5.09、信頼区間:1.63-15.94、p = 0.005)。
結論:GH療法は、TSを有する思春期前および思春期前後の女児において、子宮寸法を刺激する効果がある。TS女児では、ERT前のGHの早期開始と長期投与が重要である。