アフリカ5カ国における5価ロタウイルスワクチン(RotaTeq)投与後の腸重積の評価。
アブストラクト
背景:ロタウイルスワクチン接種後の低レベルの腸重積リスクがいくつかの環境で観察されており、ワクチンの種類によって異なる可能性がある。われわれは、ロタテックを国家予防接種プログラムに導入したアフリカ5カ国のプール解析において、低所得環境におけるロタテック接種と腸重積との関連を検討した。
方法:20の病院で積極的サーベイランスを実施し、腸重積症例を特定した。登録された小児ごとに標準的な症例報告用紙に記入し、小児の予防接種カードを確認することにより予防接種状況を判定した。28~245日齢の乳児の各ワクチン接種後1~7日、8~21日、1~21日におけるロタテック投与と腸重積との関連を評価するために、自己対照症例系列法の擬似尤度適応を用いた。
結果:ロタウイルスワクチンの接種状況が確認された乳児318例のデータを解析した。いずれのワクチン接種後のリスクウィンドウにおいても、症例の集積はみられなかった。自然に発生する腸重積の背景リスクと比較して、1-7日目(相対発生率=2.71;95%信頼区間[CI]=0.47-8.03)または8-21日目(相対発生率=0.77;95%CI=0.0-2.69)のウインドウでは、ワクチン接種後のリスク増加は観察されなかった。同様に、投与2日目または3日目以降のどのリスクウィンドウにおいても、腸重積のリスク増加は観察されなかった。
結論:アフリカ5カ国で行われたこの解析では、ロタテックワクチンは腸重積のリスク増加とは関連していなかった。この知見は、低所得環境における他のロタウイルスワクチンの同様の解析結果を反映するものであり、ワクチン固有および環境固有のリスクモニタリングの必要性を強調するものである。