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青年期慢性鼻副鼻腔炎患者のQOLにおける性差。
アブストラクト
目的:慢性鼻副鼻腔炎(CRS)が思春期の女性患者と男性患者に与える影響の違いを明らかにすること。
研究デザイン:横断研究。
方法:2020年8月から2023年4月までに当院耳鼻咽喉科を受診した12~18歳の思春期CRS患者を対象に、SNOT-22とSN5の両方に記入してもらった。女性コホートと男性コホートについて、人口統計、併存疾患、自覚的・客観的疾患測定、治療法の選択について比較した。
結果:女性30名、男性36名の計66名が対象となった。年齢、アレルギー性鼻炎、喘息、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、鼻中隔彎曲症の有無、客観的疾患の重症度に差はなかった(>0.05)。受診時、SNOT-22、耳/顔面、睡眠、心理的領域の平均値はすべて女性患者で高かった(それぞれ43対30.9、=0.02; 9.1対6、=0.03; 11.8対8.3、=0.07; 14.1対8.8、=0.02)。SN5スコアと全体的なQoL視覚的アナログ尺度は、女性と男性で同程度であった。
結論:CRSの女性患者では、自覚的疾患負荷が高い。性差に関するデータを取り入れることは、治療の意思決定を個別化する上で重要であろう。