中等度から重度の骨形成不全症における頭蓋頸部の異常-遺伝型および表現型の決定因子。
アブストラクト
序論:頭蓋頸部異常は、骨形成不全症(OI)の重大な合併症であ る。OIは、通常I型コラーゲンをコードする遺伝子の変異に よって引き起こされる稀な骨脆弱性疾患である。
目的:中等度から重度の起立耐性失調患者における頭蓋 頸部異常と関連する臨床所見を、3DコーンビームCT (CBCT)スキャンを用いて評価する。
方法:起立耐性失調患者52名(10~37歳、女性 32名)と健常対照者40名(10~32歳、女性26名) のCBCTスキャンを横断的に分析した。起立耐性失調III型(重度、n=11)、IV型(中等度、 n=33)、非コラーゲン起立耐性失調(n=8)と診断 された患者は、脆性骨疾患コンソーシアムを通じて募 集した。対照群 はミズーリ大学カンザスシティ校(UMKC)の歯 科矯正クリニックを通じて募集した。
結果:起立耐性失調群と対照群の平均年齢は同 じであった(起立耐性失調群:18.4[SD:7.2]歳、対照群:18.1[SD:6.3]歳)。頭蓋底角は起立耐性失調群で増加し(起立耐性失調群: 平均148.6°[SD:19.3]、対照群:平均130.4°[SD:5.7]、P = 0.001)、頭蓋底が平坦であることを示した。歯状突起の大後頭孔への突出(n=7, 14%)および歯状突起の位置異常(n=19, 37%)は起立耐性失調群にみられたが、対照群にはみられなかった。身長z-scoreで示される低身長(P = 0.01)、DIの有無(P = 0.04)、男性(P = 0.04)は、板状欠損の強い予 測因子であったが、身長z-score(P = 0.049)のみ は、Chamberlain法による脳底印象の正の予測因子であ った。
結論:身長z-scoreで示される起立耐性失調の 表現型の重症度は、中等度から重度の起立耐性失調にお ける扁平足や脳底印象などの頭蓋底異常の重症度 と相関する。中等度から重度の起立耐性失調では、特に低身長 とDIのある患者に対して、頭蓋底異常のスクリーニング を行うことが望ましい。