先天性副腎過形成におけるゴナドトロピン放出ホルモン作動薬治療と縦断的骨密度。
アブストラクト
背景:先天性副腎過形成(CAH)の小児は思春期早発症のリスクがある。ゴナドトロピン放出ホルモンアナログ(GnRHa)が頻繁に使用されているが、骨密度(BMD)を低下させる可能性がある。
目的:我々の目的は、小児期から成人期にわたるCAH患者の縦断的研究において、GnRHa治療がBMDに及ぼす影響を検討することであった。
デザインおよび設定:21水酸化酵素欠損症による古典的CAH患者61人(GnRHa治療を受けた20人)を対象に、思春期開始時、成人身長達成時、および成人期初期に二重エネルギーX線吸収測定(DXA)スキャンで追跡調査を行った。
主要評価項目:成人身長時の全身、腰椎、大腿骨頸部、全股関節、および橈骨遠位端のBMD zスコア。縦断的BMDと成人身長も評価した。
結果:20例の患者が平均4.5±2年間GnRHaを投与された。成人身長におけるGnRHa投与群と非投与群のBMDには、すべての部位で差はなかった。全体として、成人期早期の追跡DXAでは、全身(P = 0.01)、腰椎(P < 0.0001)、大腿骨頸部(P = 0.06)、股関節全体(P = 0.009)、および橈骨遠位部(P = 0.05)のBMD zスコアの減少が認められた。GnRHa治療は、思春期開始時の予測身長と比較して、中親身長で調整した後の身長の改善と相関した(P = 0.02)。両群とも成人身長は同程度であった。
結論:CAHの小児において、GnRHaはBMDを悪化させない。しかし、BMDは時間の経過とともに減少し、生後20~30年の間に慢性的なグルココルチコイドの過剰作用の可能性がある。思春期早発症のCAH患児は、身長に対するプラスの効果から明らかなように、GnRHa治療が有益である。