小児におけるアデノイド肥大が粘膜繊毛クリアランスおよび鼻腔細胞診に及ぼす影響の評価。
アブストラクト
目的・意義:本研究の目的は、アデノイド肥大症(AH)を有する小児の鼻疾患の診断ワークアップにおいて、鼻腔細胞診と粘膜繊毛クリアランスを系統的に使用することの利点を実証することであり、明確な診断に到達し、合理的な治療アプローチを確立し、合併症を回避し、患者の生活の質を向上させることである。
材料/方法:この前向き研究では、合計61人の小児患者(5~12歳)を評価した。症例群はAH症状を有する31人の小児で構成され、対照群はAH症状を有さない30人の小児で構成された。除外項目は、アデノイド切除/アデノトンスルレクトミー既往、心血管系/神経系疾患、急性/アレルギー性鼻炎、遺伝性疾患(例、ダウン症候群)、免疫不全などであった。対照群は、さまざまな理由で入院した鼻閉症状もAHもない小児で構成された。病歴、検査、ファイバー式鼻咽頭鏡、セファロ評価、AST、鼻腔細胞診が行われた。
結果:試験終了時、AHを認めた群では対照群に比べ粘膜繊毛クリアランス時間の有意な延長が観察された(p < 0.05)。AHはMCCを崩壊させる可能性があるが、肥大の大きさとMCC時間との間には相関はない。鼻腔細胞診における細胞の分布を評価したところ、AH群と対照群との間に差は検出されなかった。
結論:鼻粘膜繊毛クリアランスは、特に有意なAHの存在下で低下することが判明した。