米国でメポリズマブを開始した多発血管炎を伴う好酸球性肉芽腫症患者の特徴と疾患負担。
アブストラクト
背景・目的:多発血管炎を伴う好酸球性肉芽腫症(EGPA)に伴う高い疾患負担は確立されているが、実臨床においてメポリズマブを開始した患者の疾患負担は十分に理解されていない。本研究は、実臨床においてメポリズマブを開始したEGPA患者の特徴と負担を評価することを目的とした。
方法:本研究は、Merative MarketScan Commercial and Medicare Supplemental Databases(2015年11月1日~2020年3月31日)から特定された、EGPAを有しメポリズマブの請求(index date)が1件以上ある米国患者(12歳以上)を対象としたデータベース研究(GSK study ID:214156)である。インデックス前12ヵ月のベースライン期間(含む)に評価されたアウトカムは、患者特性、治療使用、EGPA再発、喘息増悪、医療資源利用、費用などであった。
結果:対象患者103例(平均年齢51.1歳、女性63.1%)において、最も一般的な症状は喘息(89.3%)、慢性副鼻腔炎(57.3%)、アレルギー性鼻炎(43.7%)であった。患者の91.3%が経口コルチコステロイド(OCS)を1回以上服用しており(投与量中央値、プレドニゾン換算で7.4mg/日)、45.6%が慢性OCS使用者(指標前の90日間に10mg/日以上)、99.0%がEGPA関連再発を1回以上、62.1%が喘息増悪を1回以上経験していた。ベースライン期間中、患者の26.2%と97.1%がそれぞれEGPA関連の入院と診察を受けていた。患者1人当たりの全原因による総医療費の中央値は33,298ドルであり、外来患者総費用(16,452ドル)が最大の原動力であった。
結論:メポリズマブの投与を開始する前に、患者にとって実世界でのEGPAの疾病負担がかなり大きいことが明らかであり、その結果、医療制度に影響を及ぼし、アンメット・メディカル・ニーズを示唆している。良好な臨床的ベネフィット・リスクプロファイルが実証されたメポリズマブ治療は、EGPAの疾病負担を軽減する有用な治療選択肢となる可能性がある。