掲載日:
小児ターナー症候群大動脈の形態学的特徴:小規模コホート研究からの知見。
アブストラクト
心血管疾患はターナー症候群(TS)の少女や女性に広くみられる。このような有病率にもかかわらず、現行のガイドラインを用いた心血管リスク評価では、生命を脅かす大動脈イベントが正常閾値内に分類される寸法で発生している。本研究では、ターナー症候群児とその年齢をマッチさせた健常者の3次元大動脈形状を特徴付け、様々な形態学的パラメータを評価した。すなわち、大動脈弓の高さと幅、上行大動脈、大動脈弓(2ヶ所)、下行大動脈の直径、上行大動脈と下行大動脈の直径の比、平均曲率、平均ねじれ、平均曲率-ねじれスコアである。さらに、TS群では、体表面積と弓部高さ(p = 0.03)および弓部高さと幅の比(p = 0.05)、大動脈弓径と体表面積(p = 0.04)および体重(p = 0.04)との間に有意な関連がみられた。この小規模コホート研究から得られた新たな情報は、TSにおける血行動態環境に影響を及ぼす形態学的パラメータについての理解を深め、この集団における心血管系リスクの増加の臨床的評価に寄与するものである。