移行期の妊娠サンネンヤギとその新生仔ヤギの成績、代謝性疾患、血液学的パラメータ、抗酸化状態に及ぼす母体ビタミンB複合体注射の影響を研究。
アブストラクト
ビタミンB群は、補酵素として動物の幅広い代謝経路を促進することにより、動物の成績を向上させる。そこで、移行期の妊娠サンネンヤギとその新生児を対象に、ビタミンB群注射が成績、代謝性疾患、血液学的パラメーター、抗酸化状態に及ぼす影響を調査した。妊娠ヤギ(3歳)を無作為にコントロール(ビタミンB群注射なし)とビタミンB群(1頭当たり5mlのビタミンB群注射)の2群に分けた。ビタミンB群は、製造業者の推奨に従って、人工授精の5週間前と3週間前にヤギに2回筋肉内注射した。乾物摂取量を測定するため、飼料サンプルを調製した。また、ヤギとその子孫の代謝性疾患を記録した。分娩7日後にヤギと新生児の血液サンプルを採取し、ビタミンB群濃度、血液学的および抗酸化パラメータを測定した。その結果、ヤギと子供の成績(体重と乾物摂取量)は、対照群に比べビタミンB群群で改善した(P < 0.05)。また、移行期にビタミンB群を投与したヤギとその子供では、対照群に比べて代謝性疾患が減少した(P < 0.05)。コバラミン、ピリドキシン、チアミン、葉酸、ニコチン酸、パントテン酸、非共役プテリジンの濃度は、移行期に母体からビタミンB群を注射したヤギとその子供の血漿中で、対照群よりも増加した(P < 0.05)。ヤギの血漿中の赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリット、総抗酸化状態、グルタチオンペルオキシダーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、およびビタミンB群を投与した子供の血漿中の赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリット、グルタチオンペルオキシダーゼ、スーパーオキシドジスムターゼは、対照群よりも高いレベル(P < 0.05)が観察された。これらの結果から、妊娠ヤギとその子供の成績、血液学的状態、抗酸化状態の改善には、母体へのビタミンB群の注射が必要であることが示唆された。