小児救急部に喘息増悪で来院した小児に対する地域機関への電子ポータル紹介の活用。
アブストラクト
目的:小児救急部(PED)で喘息増悪と診断された小児の地域機関への紹介率と関連因子を評価し、紹介された小児と紹介されなかった小児とで翌年の喘息によるPED受診を比較する。
方法:臨床医が喘息の健康アウトカムの改善に焦点を当てた地域機関に小児を紹介できるポータルの導入後、2019/01/01~2019/12/31に当院のPEDで評価された喘息のICD-10診断コード(J45x)を有する2~18歳の小児の電子カルテをレビューした。人口統計学,PED の受診,入院に関するデータを抽出し,多変量ロジスティック回帰を用いて紹介に関連する因子を評価した.
結果:解析した2262件のカルテのうち、患者の大多数は男性(61%)、黒人(76%)、公的保険加入者(71%)であった。紹介された患者は少数派であった(140例、6%)。年齢[6~12歳(AOR:1.93、95%CI:1.21~3.08、= 0.006)、13~18歳(AOR:10.61、95%CI:6.53~17.24、= 0.001)]および生涯のPED喘息受診回数[3回以上(AOR:1.91、95%CI:1.01~3.62、= 0.05)]は紹介と関連していた。1年間のPED受診回数の平均[紹介された:0.59(1.2)、紹介されなかった:0.79(1.3)、=1.70、=0.09]は、2群間で有意差はなかった。
結論:喘息に対するPEDから地域医療機関への紹介率は低い。紹介された患者と紹介されなかった患者の間で、喘息に対するPEDの短期利用率に差はなかった。