アイルランドの子宮頸部検診を受診した25歳女性における高悪性度細胞診の割合に対するHPVワクチン接種の効果。
アブストラクト
はじめに:初期のキャッチアップHPVワクチン接種プログラム(2011/12~2013/14)によってワクチン接種を受けた女性は、2019年に25歳で初めて子宮頸部検診の対象となった。本研究の目的は、2010年から2022年に検診を受けた25歳におけるHG細胞診結果の検出の変化を、このグループのHPVワクチン接種に関する集団データと比較して検討することである。
方法:本研究は生態学的研究である。2010年から2022年までのCervicalCheckデータベースの細胞診結果(高グレード、低グレード、異常なし)を、2010年から2022年までの女性のHPVワクチン接種率に関するNational Immunisation Officeのデータとプロットした。
結果:キャッチアッププログラムにおけるワクチン接種率は、2010/11年の12/13歳におけるHPV定期接種率(81%)よりも低かった(44~70%)。2015~2018年の25歳における高悪性度細胞診の割合は、この年齢層で受けた細胞診検査全体の3.7%であった。2019年から2022年までの対応期間(ワクチン接種女性が検診に通っていた期間)では、25歳におけるHG細胞診の割合は平均1.5%であり、HG細胞診の割合が有意に減少したことを示している(p<0.001)。
結論:本研究は、アイルランド共和国における子宮頸部疾患に対するHPVワクチン接種の潜在的な影響に関する初期の証拠を提供するものである。最初のキャッチアップ群ではワクチン接種率が低かったにもかかわらず、初回の子宮頸部スクリーニング検査時の女性において、HPVワクチン接種による予防効果の初期の兆候が見られる。子宮頸部検診登録女性の個人レベルのHPVワクチン接種状況を組み込む計画により、HPVワクチン接種の影響をより詳細に評価できるようになる。