永久成長ホルモン欠乏症の患者関連予測因子の同定。
アブストラクト
目的:小児期の孤立性成長ホルモン分泌不全症(GHD)は成人期まで持続する可能性があり、成長ホルモン治療の継続が必要かどうかを判断するためには、移行期に再検査を行う必要がある。ここでは、永続的なGHDの予測因子を同定することを目的とした。
デザイン:成人身長達成後に再検査を受けた小児期発症のGHD患者を対象としたレトロスペクティブな単一施設研究。
方法:追跡期間中の補助学的データ、臨床データ、検査データ、MRIデータを収集した。
結果:101例の患者を対象とした。GH治療開始時の年齢は8.1±0.4歳、身長は-2.25±0.8、BMIは-0.27±0.1SDSであった。持続性GHD患者29人(28.7%)では、身長のSDSが低く(-2.57±0.1 vs -2.11±0.1、<0.001)、平均GHピークも低かった(8.4±1.0 vs.13.2±0.5mIU/L、<0.001);成人の身長では、IGF1(232±19.9対331±9.1ng/mL、<0.001)が低く、BMI SDS(-0.15±0.27対-0.73±0.13、<0.005)が高かった。多変量解析では、身長とBMI SDS、両方のGHピーク、診断時のMRI所見が最良の予測モデルとなった。診断時の身長が3SDS未満の患者では、BMI SDSで調整した後、GHDが持続するリスクが7.7倍(95%IC 1.4-43.1、p=0.02)高かった。MRIによる下垂体領域の異常は最も強い単一の予測因子であり(7.2倍、95%CI 2.7-19.8)、診断時のGHピークおよび身長SDSで多変量解析を調整すると、リスクは10.6倍(1.8-61.3倍)に増加した。
結論:GHD診断時の身長<-3SDSおよび下垂体MRI異常は、持続性GHDを強く疑うべきである。